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中村 博雄; 井田 瑞穂*; 松廣 健二郎; Fischer, U.*; 林 巧; 森 清治*; 中村 博文; 西谷 健夫; 清水 克祐*; Simakov, S.*; et al.
JAERI-Review 2005-005, 40 Pages, 2005/03
国際核融合材料照射施設(IFMIF)は、核融合炉材料の開発のために、十分な照射体積(500cm)を有し照射量200dpaまで照射可能な強力中性子束(2MW/m)を発生可能な加速器型中性子源である。このような中性子を発生させるために、最大エネルギー40MeV,最大電流250mAの重水素ビームを、最大流速20m/sの液体リチウム流ターゲットに入射させる。ターゲット系では、7Be,トリチウムや放射化腐食生成物等が発生する。また、背面壁は、年間50dpaの中性子照射下で使用する必要がある。本報告では、平成16年度の原研におけるターゲット系の活動主要なトピックスとして、ターゲットアセンブリの熱・熱応力解析、放射化腐食性生物によるリチウムループ近接性の影響評価,トリチウムインベントリと透過量評価を取りまとめた。
中村 博文; 西 正孝; 森田 健治*
JAERI-Research 2003-016, 32 Pages, 2003/08
核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として、核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム-セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し、酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した。その結果、Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは、主として水酸基の状態で存在しているため、その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした。また、トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し、その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより、トリチウム除去機構について検討した。その結果、空気曝露によるトリチウム除去率は小さく、そのほとんどが、試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした。また、酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた。以上の結果、酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし、トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た。
森田 健治*; 鈴木 宏規*; 曽田 一雄*; 岩原 弘育*; 中村 博文; 林 巧; 西 正孝
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1461 - 1465, 2002/12
被引用回数:2 パーセンタイル:16.96(Materials Science, Multidisciplinary)原研と名古屋大学との協力研究に基づいて実施された酸化物セラミックス中に注入したトリチウムと大気中水蒸気の軽水素との同位体交換反応について報告する。実験は、まず、原研のイオン源により1試料あたり約7.4GBqの純トリチウムを注入した。トリチウム注入した試料を3グループに分け、それぞれ、大気(水分濃度約9000ppm),窒素ガス(水分濃度約100ppm),乾燥窒素(水分濃度0.01ppm以下)の環境に24時間曝露した後、0.5K/sec,1273Kまでの等速昇温脱離試験を実施した。試験の結果、水蒸気中の軽水素と材料表面に存在するトリチウムとの同位体交換反応が観察されるとともに、酸化物セラミックス中に打ち込まれたトリチウムは酸化物中の酸素原子と結合していることが明らかとなった。これらの結果をもとに、名古屋大学で考案された固体内水-水素同位体交換反応モデルに基づく解析を実施し、観察されたトリチウムの放出挙動との良い一致を得た。
森 清治*; 小林 武司*; 関 泰; 関 昌弘
FAPIG, 0(124), p.2 - 11, 1990/03
核融合炉のトリチウム増殖ブランケットの開発計画に反映するため、その開発に必要な手順と試験項目を明らかにした。さらに研究開発に必要な施設のうち、放射線場以外での炉外試験施設(高熱負荷試験、伝熱流動試験、製造技術開発、健全性試験)について予備的な概念設計を実施した。
奥野 健二; 永目 諭一郎; 工藤 博司
J.Less-Common Met., 119, p.211 - 217, 1986/00
被引用回数:5 パーセンタイル:64.2(Chemistry, Physical)LiPb中にLi(n,)T反応で生成するトリチウムの化学的挙動、特に加熱放出過程に着目して調べた。中性子照射したLiPbを真空下で加熱した時、トリチウムは主にHTの化学形で放出されることが判明した。そのHT放出過程は、拡散律速型で、その拡散係数は、 D=2.110exp〔-45.1(KJ/mol)/RT〕(cms) で表される。LiPbについても同様の実験を行い、LiPbの結果との比較を行った。その結果、LiPbからのHT放出において、顕著な相変化の効果が現れた。拡散係数の比較において、同温度範囲で約2桁大きいことが判明した。
K.W.Lee*; 伊藤 芳明*; 藤谷 善照*; 宮崎 哲郎*; 苗木 賢二*; 荒殿 保幸*; 佐伯 正克; 立川 圓造
J.Phys.Chem., 90, p.5343 - 5347, 1986/00
11~77Kにおいて、Ar(Kr又はXe)-CH-CD混合固体中での反跳トリチウム原子の反応を調べた。水素(HT+DT)の相対収率はエタン濃度の減少とともに増加したが、エタン(CHT+CDT)の収率は前者を補償するように減少した。この結果は水素がホット及び熱反応の両方で生成しているのに対し、エタンはホット反応のみで生じていることを示している。熱化したトリチウム原子は11~20Kにおいても量子力学的にトンネル効果によりエタンから水素を引抜くことが分った。さらに、CHとCDからのH/D引抜き反応の同位体効果を11~20Kと77Kで比較するとともに、ホットトリチウム原子の希ガス固体中での衝突当りの平均エネルギー損失の評価を行った。
平林 孝圀; 佐伯 正克; 立川 圓造
Journal of Nuclear Materials, 126, p.38 - 43, 1984/00
被引用回数:38 パーセンタイル:94.45(Materials Science, Multidisciplinary)ガス状トリチウム(HT-ガス)とステンレス鋼(SUS316)表面との相互作用について、昇温脱離法による研究を行なった。ステンレス鋼表面に収着したトリチウムの昇温脱離スペクトル中には4つのピークが、430(HT-I),540(HTO),750(HT-II)および970K(HT-III)付近に現われ、トリチウムは少なくとも、4つの異なる状態で収着されていること、また、各収着状態からのトリチウムの脱離に要する活性化エネルギーは、204(HT-I),277(HTO),559kJ/mol(HT-II)であることが見いだされた。これらの結果から、次のような結論を得た。収着トリチウムの約90%は収着過程でOTイオンを形成しており、このOTイオンは脱離過程で表面酸化物の触媒作用によりHTOになる。収着トリチウムの約10%はHTの形で脱離する。その内の約1/2は解離して収着されており、完全に脱離するには、970K以上に加熱する必要があるのに対し、残りの約1/2は解離せずに収着しており、きわめて容易に脱離する。
佐伯 正克
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 34(4), p.739 - 742, 1983/00
中性子照射量の異る黒鉛試料を用い、黒鉛中でのトリチウムの拡散定数を測定した。試料の照射量が増すにしたがって、拡散定数は減少した。実験結果を黒鉛の結晶化度により整理することにより、700-1000Cの温度領域で拡散定数の対数と結晶化度の間に直線関係のあることを見出した。
工藤 博司; 奥野 健二
Radiochimica Acta, 33, p.223 - 237, 1983/00
リチウム化合物中に生成するトリチウムの化学挙動研究の一環として、炭化リチウム(LiC)からのトリチウム放出挙動を調べた。中性子照射したLiCを真空中で加熱すると、生成したトリチウムの大部分(95%)はHTの化学形で気相に遊離する。予想に反して、炭化水素の化学形で放出されるトリチウムは少なかった(2.8%)。HTの放出速度は拡散律速反応として解析され、760~980Kの温度範囲で拡散定数はD=4.110exp(-93700/RT)cmsと表わされる。前指数係数の対数誤差および活性化エネルギーの誤差はそれぞれ0.5cmsおよび7.9kJmolである。この実験結果を、これまでに得られているLiO,LiOH,LiAlおよびLiNからのトリチウム放出挙動と比較しながら検討したところ、LiC中に生成するトリチウムはTの形を取り、Liとの間に強い相互作用を有することが示唆された。
喜多村 和憲; 飯田 浩正; 迫 淳
JAERI-M 82-025, 23 Pages, 1982/03
国内次期装置の一候補であるスィミングプール型トカマク炉の増殖ブランケットについて熱設計を行なった。ブランケットはチューブインシェルタイプとし、トリチウム増殖領域内LiO温度を400C以上、1200C以下に保つため、冷却管LiO間にヘリウムガス層を設ける構造とした。又LiO最適ヘリウムギャップおよび最適冷却ピッチを決定した。その結果、ヘリウムギャップは0.75mmとなり、冷却管ピッチは最内列で30mm、最外列で70mmとなった。
中島 幹雄; 荒殿 保幸; 立川 圓造
Journal of Nuclear Materials, 98(1), p.27 - 34, 1981/00
被引用回数:13 パーセンタイル:81.39(Materials Science, Multidisciplinary)アルミニウム中に打込まれた反跳トリチウム、および熱拡散により注入したトリチウムについて、拡散定数を求め、次の結果を得た。 D=210exp(-10200600/RT)(反跳T) D=(91)10exp(-12400700/RT)(熱拡散T) 反跳トリチウムの拡散定数は、熱拡散で注入したトリチウムのそれに比べてやや大きく、拡散の活性化エネルギーはやや小さい値が得られた。この違いは反跳による効果より、むしろ表面酸化膜の効果に帰因する。 されに、反跳トリチウムの放出化学形も調べた。